人間ドック、こなせれたら十分健康でしょ

からだ

バリウム初心者

先日人間ドックを受診した。

毎年受診しているが、コロナ禍なこともあり、肺活量検査が無くなってたり、クリニックでの1日の受診者数が絞られてたり、更衣室を同室の人を作らないようにしたり、と、去年からいろいろ様子は違ってきている。

私がタイトルに込めた意味は、もちろん身長体重検査や、視力聴力胸部レントゲンましてや問診などではない。

言うまでもなく胃部X線検査、通称バリウム検査の話だ。

バリウムを最初に受けた35歳の時。

検査室には自分のみ、技師が隣の部屋から私の乗っている検査台の操作をしながら私にいろんな指示を出す、というのがバリウム検査だ。

ショボい検査項目のみの健康診断の時代も終わり、35歳にもなると人間ドックを受ける人も多いだろう。

つまり30や35なんていうのはだいたいが人間ドック初心者だ。この辺をバリウム技師はわかっている必要があると思う。

私は何をやるのかもよく知らないまま受けた。

まぁそれがよくなかった。とはいえ今みたいに調べればなんでも教えてもらえるスマホもない時代だったんで…

診察台に乗り、発泡剤とバリウムっつー気持ちの悪い液体セメントのようなものを半分飲む。

それが喉から胃に入っていく様子や入ってからの様子を見ているらしい。

拷問

そして残りのバリウムも全部飲んだあと、診察台が横向きになってからが問題だった。

「はい、上を向いて下さい」

この言葉がよくわからない。

説明すると、その時私は診察台に乗って臥して横たわっている状態だった。上を向く、つまり私は自分の頭上を見上げればいいのか?と首を上にあげ、「自分の」上を見たわけだ。すると技師は

「上を向いて下さい」

を繰り返し、私は横になった私の上(つまり私の頭上の横壁)を見る、ということを繰り返した。

さながらキツい体勢からの無理のある伏臥上体そらし

技師が私に何をさせたいのか全く通じなかった。彼はイライラしていたようだ。

「そうじゃないです、上を向いてもらえますか。」

そんなことを繰り返しやっていたためか、自分にポリープがあるためかはわからないが、あまりに長い時間かかり、その間に発泡剤が抜け、もう一度飲まされた。

そのしんどさと、その技師との意思の疎通の取れなさと、理不尽な物言いなのにその言われたことに対してまるで奴隷のようにやらされなければならない感覚が、私の精神を酷く痛めつけた。

お前の「上」は、横になっている私の「上」ではない。

そして終わった時には涙が目から出ていた。

人間ドックに行ってむしろ病気にさせられると思った。ほぼ拷問だ。

よそで受けたバリウム検査

そのクリニックはその後二度と行かなかった。人間ドックはもちろん外来でも使う気はその時に完全に失せた。

その次に受けた別のクリニックでの人間ドックのバリウム検査の技師は、非常に指示がわかりやすかった。

「仰向けになって下さい〜」

「うつ伏せになって下さい〜」

そうだな。これなら間違いようが無い。

あの技師がアホだった、自分本位にしか物事を表現できないアホだった、相手の立場で物事を考えられないアホだった、と思うことにした。

おそらくこの別のクリニックの技師は普通なのだろうが、私にはとても親切に思えた。

そしてバリウム検査がどういうものかわかってからは、当たった技師の少々拙い指示でもちゃんとこなせるようになった。

とは言えあのクリニックには二度と行くことはないだろう…

胃カメラも

そんな私だが、今年は胃カメラを受けた。

ポリープがあるのでたまには胃カメラを飲んでおいた方が良いと以前言われたことがあるからだ。

鼻から入れるヤツだと4400円自己負担があると言われ、じゃあ口からのでいい、ってことにしてお願いしたが、しかしこれがキツかった。

胃カメラは人生3回目だが、まあこれもラクだった記憶はない。2回目は鼻から入れる用のを口からやったので(いったんは鼻からやってみたが、顔の作り上難しい(平たい顔族には難しい)と言われ、口からに急遽変更)ラクだったが、他の2回は口から用のでやったのでえづくえづく。

まず始める前に喉に5分ほど麻酔をかける(麻酔のジェルを、上を向いた状態で喉に5分置いておく、という作業)。その後直径1センチくらいの管を飲んでいく。

しかしえづく反射がどうしても出てしまう。そこをなんとか通して、やっと食道を見て、胃を見る。

背中を撫でてくれていた看護師さんには感謝だった。

撫でていてもらえると人間意味なく安心出来るのだ。あれは不思議だが、先生は管の操作や写真撮るのに手いっぱい。背中を撫でてくれる看護師さんは

「もう辛いところは過ぎましたよ〜」

「大丈夫ですよ〜」

心では全ッ然大丈夫じゃねーよ、と思っているのだが、そう言ってもらうと「そうか」と何故か少し落ち着くのだ。

まあ結果的に

「このポリープは悪さしませんので問題ないですよ〜」

「食道も綺麗ですよ〜」

と言ってもらえて安心は出来た。

安心を得るためとは言え、かなりの体力と精神力を使った。

つまりバリウムにしろ、胃カメラにしろ、これらをこなせられるならば十分に心身健康だろうよ、と思うわけだ。

あまりに過酷ではないだろうか。

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