八雲立つ

まんが

昔の漫画のようで…

樹なつみ先生の作品だ。私が学生時代の頃からやってた気がする(苦笑)。その頃は読んでなくて、ふーん、程度だった。

樹なつみ先生の漫画は、「朱鷺色三角」と「パッション・パレード」は単行本を持っている(部屋のすぐ出せる位置に花とゆめコミックスがある)が、この「八雲立つ」は読んでいなかった。

ebookで1巻試し読み無料というのをやっていたので読んでしまったのが運の尽き、結局先月のebook半額デーを利用して全巻揃えてしまった。

電子版は文庫本なので、総ページがめっちゃ多い。

その値段なら200頁くらいが普通じゃね?と思うのに、文庫版ははっきり言って倍近い頁数。

そういう問題じゃないけど「なんてお得なんだ文庫版」と思ってしまったのも良くなかった。

読んだら止まらない。

自分、吉田秋生先生の「バナナフィッシュ」もめちゃくちゃ好きなのだけど、なんだかそれに通じるものがあるなぁ、と読んでて思った。(内容も絵柄も)

カッコいいお話

一族の総主を担った強い巫覡(シャーマン)の高校生主人公が、霊力が強いとは言えまだ精神的には弱い少年なので、色々一人では耐えられない事柄から救ってくれる見た目凡人なもう一人の主役(大学生)と二人三脚で、とある目的のために7つの神剣を揃えようと奔走する話。

ネタバレしないように大筋を書くとなんだかつまらなさそうになってしまうが、少女マンガだけれど、バナナフィッシュの様に女っ気もなく(あるけど主役二人には大きく影響しない)、どこかBLに傾いた話なので(※個人の感想です)、読んでて非常に楽しいし面白い。

バナナフィッシュは最後まで読むと、腹の底から落ち込まされて、はっきり言って鬱になるほどシンドい話だったけれど、これは似ているとはいえ明るい。

救いがある。

30年経っても大丈夫

続編の「八雲立つ 灼」は今揃え中。これは現在進行形で連載されているようだが、「八雲立つ」連載開始の平成4年から今までの30年、変わらない雰囲気の漫画を描き続けられていることが「物凄いな樹なつみ!」と思わずにはいられない。

30年も経つと、手はもちろん身体も脳も目も何もかもが普通の人間なら変わってくる。それが作品に現れて当然なのだけれど、それほど差を感じない。

スっと「灼」に入れてむしろ驚く。

樹なつみの文庫本の電子版、他のも買っちゃおうかなぁ、とか今思いかけています。

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