穏やかな仕事環境
四半世紀以上勤めたIT企業を辞めてからそろそろ2年近くになる。
今の会社でとても穏やかな日々を送らせてもらっていて有難い。
以前の会社では、自分が派遣社員や契約社員だったことで、私には話せない事項が多々あり、そのコソコソ感がわかるため、そういう動きがあるたび心がゾワゾワして嫌だった。
正社員が仕事中に携帯チェックばかりしてろくに仕事していないのを見るのも嫌だった。
結局は正社員と非正規労働者の壁があったのが大きなストレスだったんだと思う。
四半世紀居たけども。
その点、今は超零細弱小企業ではあるが正規非正規の区別や差別が無いため、そういったストレスがない。
そのおかげかアトピーもかなり改善した。年齢的なものもあるとは思うが。
がしかし。
今の会社でこの間、会議をした時、社外の会議相手の人が「DX」を連発したことがあった。
普通に会話をして終わったのだが、一緒に会議に参加していた超弱小零細企業の役員が、会議後に
「DX」って?
と言ってきたのだ。一瞬何を聞かれたのかがわからなかったが、
「デジタルトランスフォーメーションのことでは?」
と返したが、
「トランスフォーマー?!トランスフォーマーなの?!」
と小学生のように返され、その時少し「ヤバさ」を感じた。
「そうです、我々はトランスフォーマーなのです」
とその場は適当に返したが、心はかなり引いていた。
以前の会社はIT企業だったため、「DX」なんて下手したら10年以上前から使っていて、それの意味が通じない人間なんて周りにはいなかった。
アルファベット略や横文字だらけが当たり前の世界で、助詞は日本語だがそれ以外は横文字で会話をしている(言い過ぎ)ような会社だった。
「DX」が会社の存在意義でもあったし、それを推進する会社だった。
「DX」を大人が今更人に聞くなんてヤバい
ということよりも、それを今まで知らないでやってこれたという環境がヤバい。
そして本当にヤバいのは今、自分がその環境内にいるということだ。
この質問をされた時、「この2年ですでに私はあのIT企業的には浦島太郎になっているだろう」と焦ってしまった。
とはいえ、もうあそこに戻る事はないのだからいいか、と心をなだめた。
そして今の会社の前に1ヶ月半だけ働いた「一人に1台PCも無い超アナログ会社」よりは全然マシだとなだめた。あそこには「DX」という言葉すら来ないだろう。
そしてあのIT企業にしても、会話が基本横文字アルファベットが当たり前なことに対して「ここは日本だぞフザケンな!」と心では思っていたのだ。
だから今の会社くらいが丁度良いのかもしれない。
DX知らなかったらERPなんて知るわけないだろうが、今ERP的なものを導入しようと頑張ってくれているし。
井の中の蛙となってヤバくなっててももう私は気がつくことは無いだろう。
必要がないなら知らなくても構わないのだ。
人は環境で作られていくなと思った出来事でした。
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